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第 11 章

2時限⽬ ミトコンドリア・コルチゾール・ストレス

田中博士 著 · 🔒 50%無料公開 (続きはプレミアム会員)
0. 0時限⽬ うつ病とケトン⻝ — 脳のエネルギー消費 1. 1時限⽬ 代謝的神経疾患モデル — パーマー博⼠の理論 2. 2時限⽬ ミトコンドリア・コルチゾール・ストレス 3. 3時限⽬ ケトン⻝の精神疾患改善 — 6つの研究
重要ポイント

ミトコンドリアは様々な精神疾患と関連している

鈴⽊美咲 ミトコンドリアは細胞内でエネルギーを⽣成するものとしてだけ知っていました。精神疾患と関連したミトコンドリアについて気になります。

⽥中博⼠ はい、いいですね。パーマー博⼠はこれまでの研究を通じて、ミトコンドリアが多くの領域にわたっていることを説明しています。すなわち、神経伝達物質、遺伝⼦、エピジェネティクス、炎症、腸内細菌叢、⻝事、運動、幼少期の逆境、ストレス、トラウマ、薬物とアルコール、睡眠、ホルモン、フリーラジカル、活性酸素などなど。これらすべてがミトコンドリアと関連しているというのです。

佐藤恵⼦ 最近、⽣物⼼理社会モデルに霊性を加えて、⽣物⼼理社会霊性モデルというものがあるということも聞きました。霊性も代謝、そしてミトコンドリアと関連するでしょうか?

⽥中博⼠ 興味深い質問です。霊性というと、宗教より包括的な概念のようですね。瞑想、ヨガ、座禅、祈り、⾃然への畏敬の念、⼈類愛などが霊性と関連したテーマのようです。これらは深い呼吸、腹式呼吸と関連するようです。可能な限り⽷のようにゆっくりと吸い込み、再びゆっくりと呼吸する腹式呼吸は、細胞へ伝達する酸素供給量を増加させます。主な理由は、上気道が150cc程度になりますが、肺胞のない死腔だからです。そのため、肺の下気道部分である350ccのみで酸素が⽑細⾎管を通じて伝達されるので、計算してみるとゆっくり呼吸するほど酸素供給量が多くなります。すでにお気づきでしょうが、増加した酸素供給は、まさにミトコンドリアでのATPエネルギー⽣成量の増加と活性酸素の減少を意味します。したがって、⽣物⼼理社会霊性モデルはエネルギーという概念で統⼀されることができるでしょう。

佐藤恵⼦ 興味深いです。私たちの⾁体がまさに霊性と直接的につながっているようですね。本当に私たちの⾝体を⼤切によく使い、健康に維持しなければならないという思いがします。

鈴⽊美咲 わぁ〜驚きです。⼀⽅で考えてみれば、⽣命というもの⾃体がエネルギーがあってこそ可能なものですから、当然と⾔えば当然かもしれませんね。エネルギーが⼗分にあれば⼈体に活⼒も⽣まれますし、どんな外部的な困難もうまく克服できるでしょうから、精神疾患も減ることができるでしょう。それでは精神疾患を予防し改善するためには、体に⼗分なエネルギーを作り、よく保存することが重要になりそうですね。

⽥中博⼠ そうです。それが核⼼です。だからパーマー博⼠は精神疾患を改善するためには、まず代謝的状態を点検しなさいと助⾔します。つまり、体重、脂質組成、⾎圧、ウエスト周囲、⾎糖、糖化ヘモグロビン、ホルモンも重要ですが、甲状腺ホルモン、⼥性ホルモン、男性ホルモン、プロゲステロン、コルチゾールが含まれます。そして栄養的に問題がないか調べてみてくださいと⾔います。結論的にパーマー博⼠が強く勧めるのはケトン⻝です。つまり、炭⽔化物が過剰になると⼈体の代謝が滅茶苦茶になって、これが結局、精神疾患の増加につながるというのです。そして腸の健康のことを話します。腸内細菌叢が炎症性に変わると、腸に⽳が開いて腸漏症候群が⽣じます。すると開いた⽳から便成分が⾎液に乗って⼊り込み、多くの場所に炎症を作りますが、脳でも炎症が作られると、それが精神疾患になりうるということです。研究によると、⾃閉症の⼦どもたちでは腸の健康が良くないケースが多いです。

重要ポイント

有機農、または無農薬の⾃然⻝品を摂取しなさい

⼭⽥佳⼦ ⽥中先⽣。それでは腸の健康を維持する⽅法は何でしょうか?

⽥中博⼠ 腸の健康を維持するためには、何より植物に豊富な⻝物繊維をよく召し上がるのがよいです。すべての植物には繊維質がありますよね。しかし動物性⻝品には繊維質がまったくありません。だから、最近⾁類中⼼の⻝事が蔓延し、腸の健康がよくない⽅が多いのです。そして界⾯活性剤の⼊った⻝品は注意するのがよいです。界⾯活性剤は⼀種の洗剤のようなものなので、腸壁を溶かす可能性があるという研究もあります。

⼭⽥佳⼦ あら、なぜ界⾯活性剤を⻝品に⼊れるのでしょうか?

⽥中博⼠ それは⽔と油、つまり⽔溶性と脂溶性をうまく混合するために⼊ります。例えばマヨネーズが油と⽔を混合したものですよね。界⾯活性剤を抜くと油と⽔が分離されるんです。油は軽いから上に、⽔は下に分離されてしまうと⻝べるのが難しくなりますよね。

⼭⽥佳⼦ あ、そうなんですね。それでは可能な限り加⼯されたものより家で作って⻝べるのがよいですね。⼤⾖レシチンは天然乳化剤と聞きました。

⽥中博⼠ そうです。植物性ケトン⻝において重要な要素です。可能であれば原材料を買って直接調理することをお勧めします。さらに進んで、家庭菜園があれば各種野菜を栽培されるとよいでしょう。直接召し上がるものなので、農薬は撒かなくても⼤丈夫ですし。

⼭⽥佳⼦ 私も数年前から家庭菜園で野菜を育てて家族みんなで⻝べています。みんなとても美味しいと⾔って。5坪程度でも⼗分でしたよ。

⽥中博⼠ そうですか。本当に素晴らしいです。それに続いてパーマー博⼠は炎症性指標を検査することを勧めます。やはり炎症が多くなれば、体のエネルギーが多く消費され、⾎液の流れも円滑でなくなり、細胞の代謝にも否定的な影響を及ぼすでしょう。そして摂取している薬物があれば、それも検討しなさいとのことです。薬物のうち代謝に否定的影響を及ぼすものを確認しなさいということです。そして運動をしなさいと勧めます。中年男性の場合、1⽇40分程度、最低11分は運動をしなさいと⾔います。⼥性は最低5分以上の運動をお勧めします。最後に彼は、⼈⽣の⽬的と周辺の⼈との関係を点検しなさいと⾔います。これは恨んだり、争ったり、恨めしく思う⼈がいれば、許して解決しなさいということでしょう。

重要ポイント

⼼のストレスは恒常性を崩し、エネルギー⽣成を減少させる

⼩林春⼦ ⽥中先⽣。年を取ると⼤抵のことは許せるようになるのですが、許すことで精神疾患が改善されやすいというのはどう解釈すればよいでしょうか?

⽥中博⼠ はい、良い質問です。それはおそらくストレスの概念で解釈できそうですね。ところでストレスがどんな意味かはご存じですよね?

⼩林春⼦ それは恒常性を崩すものだと知っています。

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