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第 6 章

3時限目 ランダム化試験・記憶力改善・メアリー事例

田中博士 著 · 🔒 50%無料公開 (続きはプレミアム会員)
0. 0時限目 家族の物語と医療費220兆ウォンの危機 1. 1時限目 ケトン食は脳血流と神経血管機能を改善する 2. 2時限目 アボカド・野菜豊富なケトン食とADAS-Cog改善 3. 3時限目 ランダム化試験・記憶力改善・メアリー事例

★ 紹介論文 (1)

Phillips, M. C. L. et al. (2021). Randomized crossover trial of a modified ketogenic diet in Alzheimer's disease. Alzheimer's Research & Therapy, 13, 51.

「アルツハイマー病に対する変形ケトジェニックダイエットのランダム化クロスオーバー試験」

田中博士 それでは続いて、ケトン食の認知症改善に関する第4の論文をご紹介します。タイトルは「アルツハイマー病に対する変形ケトジェニックダイエットのランダム化クロスオーバー試験[36]」です。

田中博士 この実験はクロスオーバー実験で、無作為に26名のアルツハイマー患者を2つのグループに分けました。クロスオーバーは交差するという意味があります。一つのグループはケトン食を先に12週間行い、続いて10週間通常食を行います。それから再び12週間ケトン食を行います。そしてもう一つのグループは、前のグループとは反対に通常食を先に12週間行い、残り10週間はケトン食を行います。続いて12週間は再び通常食を行います。各グループは無作為に選ばれてケトン食と通常食グループを決定したのです。81%の21名が12週間のケトン食を完了しました。

田中博士 日常機能を確認するADCS-ADL、生活の質を確認するQOL-AD、認知力確認のためのACE-IIIという3つの尺度で認知症改善効果を確認しました。図6-7(a)で見られるように、ACEという尺度で認知力の変化を確認したところ、ケトン食グループが通常食より多くの改善結果を示しました。日常機能であるADCSでもケトン食グループの変化率が高かったです(図6-7(b))。そして生活の質であるQOL-ADでもケトン群が高い数値を示していました(c)。

FIGURE
図6-7. ケトン食と通常食の認知・日常機能・QOL比較(ACE-III、ADCS-ADL、QOL-AD)
(a) ACE-IIIによる認知力変化、(b) ADCS-ADLによる日常機能変化、(c) QOL-ADによる生活の質変化。3つの尺度すべてでケトン食グループが優位な改善を示した。
📌 ここに3パネル棒グラフ(ACE/ADCS/QOL)を挿入

田中博士 続いて血液指標の結果をお知らせします。図6-8を見ると、血液を確認したときケトン食を行ったグループは通常食グループに比べてケトン数値は高く(b)、逆に血糖は低かったです(a)。当然の結果ですね。これはケトン食を行う際、ケトン体が主要なエネルギーとして使われ、逆に血糖が低くなることで人体の負担を減らしたと解釈することができるでしょう。

FIGURE
図6-8. 食事による血糖値とケトン体の変化
(a) 血糖値はケトン食群で低下、(b) ケトン体は上昇。ケトン体が主要エネルギー源として使われ、血糖負担が軽減されたことを示す。
📌 ここに血糖・ケトン体の経時変化グラフを挿入

★ 紹介論文 (2)

Oliveira, T. P. D. et al. A Potential Role for the Ketogenic Diet in Alzheimer's Disease Treatment: Exploring Pre-Clinical and Clinical Evidence. Metabolites, MDPI.

「アルツハイマー病におけるケトジェニックダイエットの潜在的役割 治療 — 臨床前および臨床的証拠の探究」

田中博士 認知症改善効果に関する次の研究である「アルツハイマー病におけるケトジェニックダイエットの潜在的役割 治療 臨床前および臨床的証拠の探究[37]」をご紹介します。この論文では、これまでの多様なケトン食の認知症改善効果に関する研究を整理しました。動物実験11編と人間を対象とした12編の臨床研究を紹介しており、ほとんどが認知力改善効果を示していました。

田中博士 ケトン食の認知症改善効果は、血糖調節、抗酸化、抗炎症、脳血流量改善、腸内細菌叢の改善など多様な改善と関連しています。豊富な野菜とナッツ類、種実類、豆類、果物類が含まれたケトン食は栄養的にも安全であり、長期間継続が可能です。本日ご紹介した論文以外にも、認知症患者の記憶力改善、気分改善、認知力改善、言語改善、活動改善など多様な研究があります。

★ 紹介論文 (3)

Reger, M. A. et al. (2004). Effects of β-hydroxybutyrate on cognition in memory-impaired adults. Neurobiology of Aging, 25, 311-314.

「記憶障害成人の認知に対するベータ-ヒドロキシ酪酸の効果」

小林春子 もしかしてケトン食をして記憶力が良くなった研究はないでしょうか?私の友人が最近物忘れか認知症か、単語がよく思い出せないことが多いと嘆いていました。ケトン食にそのような効果があれば、私の友人にその内容を伝えたいです。

田中博士 認知症に関連して文章想起能力を測定した研究があります。少々お待ちください。私がファイルを少し探してみます。(コンピュータでファイルを開いて、関連した研究を整理した文書を探す)。あ!見つかりました。ここにあります。この論文のタイトルは「記憶障害成人の認知に対するベータ-ヒドロキシ酪酸の効果」です。アルツハイマー病にかかった患者は脳でブドウ糖の利用が減少すると言います。ところがケトン体が脳に効果的だという研究に基づき実験を設計したものです。中鎖脂肪酸を記憶障害があるアルツハイマー病患者20名に摂取させ、90分と120分後にそれぞれ認知能力テストと血液検査を行いました。図6-9のように分析結果、血中ケトン数値が高いほどアルツハイマー病認知尺度の点数が改善されていました。

FIGURE
図6-9. 血中ケトン濃度に比例する文章記憶能力の変化
中鎖脂肪酸摂取後、血中β-ヒドロキシ酪酸濃度が高いほどアルツハイマー認知尺度の点数が改善された。20名のアルツハイマー患者を対象に90分・120分後に測定。
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