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第 6 章

2時限目 アボカド・野菜豊富なケトン食とADAS-Cog改善

田中博士 著 · 🔒 50%無料公開 (続きはプレミアム会員)
0. 0時限目 家族の物語と医療費220兆ウォンの危機 1. 1時限目 ケトン食は脳血流と神経血管機能を改善する 2. 2時限目 アボカド・野菜豊富なケトン食とADAS-Cog改善 3. 3時限目 ランダム化試験・記憶力改善・メアリー事例

★ 紹介論文 (1)

Nagpal, R. et al. (2019). An Experimental Ketogenic Diet for Alzheimer Disease Was Nutritionally Dense and Rich in Vegetables and Avocado. Current Developments in Nutrition, 3(2), nzz003.

「アルツハイマー病に対する野菜とアボカドが豊富で栄養的に密度のある実験的ケトン食」

田中博士 次に検討する論文は「アルツハイマー病に対する野菜とアボカドが豊富で栄養的に密度のある実験的ケトン食[34]」という研究です。

鈴木美咲 アボカドは私も好きです。菜食をしながらサンドイッチのお弁当を作って昼食に食べているのですが、サンドイッチを作るときによく使います。

田中博士 はい。そうですね。アボカドは脂質が豊富だと知られているので、植物性ケトン食をされる方が料理によく使います。この研究論文はアルツハイマー病にかかった高齢者に、野菜とアボカドを含むケトン食が栄養的に問題ないかを確認する研究です。ケトン食はMCTオイル、バター、非デンプン野菜、バター、オリーブオイル、アボカド、ナッツ類、種実類を含めました。そしてジャガイモ、穀物、赤身肉、砂糖が含まれた飲料は除外しました。この食事はカロリーで概ね脂肪が70%、タンパク質が20%、炭水化物は10%以下で構成されました。

小林春子 この研究でもMCTオイルを使ったんですね。本当に中鎖脂肪酸が人体に有益な結果をもたらすようです。穀物のようにジャガイモも炭水化物が多いので除外し、野菜の中でも非デンプン野菜を除外したのですね。

田中博士 はい。そうです。ココナッツ油やパーム油が飽和脂肪が多いと敬遠される方がいますが、それは中鎖脂肪酸という観点を考慮していないものです。それでは、小林先生にデンプンが多いデンプン野菜類をいくつか教えていただけますか?^^

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図6-4. 通常食とケトン食の栄養素比較
DRI: Dietary Reference Intake(栄養推奨量)、DRIは充分摂取量基準、それ以外はRDA(Recommended Dietary Allowance)。ケトン食はナイアシン、ビタミンB12、セレン、リン、リボフラビン、ビタミンAなどで推奨摂取量より高い摂取量を示し、カルシウム、ビタミンE、葉酸、マグネシウム、カリウムなどが70%水準を示した。
📌 ここに栄養素比較棒グラフ(DRI%基準)を挿入

小林春子 はい、デンプン野菜類にはトウモロコシやジャガイモなどの根菜が含まれます。西洋では揚げ物としてよく食べるので、体重増加に影響を与えると報告されています。毎日デンプン野菜を100グラムずつ食べると、4年間で体重が2.6キログラム増加するという報告もあります。

田中博士 体重が増加して脂肪細胞が大きくなると、炎症性アディポカインというものが作られて分泌されます(図6-5)。この他にも活性酸素を放出し、インスリン抵抗性を示して糖尿を促進することになります。それでは続けて説明させていただきます。この研究ではまずケトン食が栄養的に不足していないということを示しました。図6-4で示されているように、分析結果ケトン食はナイアシン、ビタミンB12、セレン、リン、リボフラビン、ビタミンAなどで推奨摂取量より高い摂取量を示していました。そしてカルシウム、ビタミンE、葉酸、マグネシウム、カリウムなどが70%水準を示しました。カルシウムが推奨量の70%とご心配かもしれません。しかし栄養推奨量は、ある集団の摂取必要量の上位97%である人を基準としたもので、平均値を意味するのではありません。普通、平均的な値は栄養推奨量の70〜80%水準で、この数値が過剰の危険が少なく安全なのです。

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図6-5. 脂肪細胞の正常と異常の比較
日常の栄養素過剰摂取は持続的に蓄積され、脂肪細胞に中性脂肪合成と貯蔵を過剰に行わせる。異常に大きくなった脂肪細胞は活性酸素を放出し、炎症性アディポカインを合成して分泌する。
📌 ここに正常脂肪細胞 vs 肥大化脂肪細胞(炎症性アディポカイン分泌)模式図を挿入

田中博士 スウェーデンのようなヨーロッパの国々では、学校給食で食事を組むときに栄養推奨量の70〜80%を基準にすると言います。なぜならそれが平均値に近いからです。むしろある集団の平均摂取値で提供すれば、ほとんどの人は過剰摂取するしかありません。そうすれば栄養素が蓄積されて毒素のような役割をすることになるのです。つまり、この結果によれば、ケトン食はカルシウムを含めてほとんどの栄養素を満たしていることが分かります。

鈴木美咲 博士、カルシウムは骨を丈夫にするものと知っています。ですからカルシウムは多く食べるほど良いのではないですか?ですから多く食べても健康に問題はなさそうですが。

田中博士 はい、重要な質問です。カルシウムは骨の健康に重要なのは確かです。それだけでなく、カルシウムは細胞内の濃度より血液の濃度が1万倍から10万倍高いです。そのため細胞膜のカルシウムチャネルが開くと、濃度勾配によってカルシウムが細胞内に入っていき、細胞内の信号を発生させるのです。例えば神経細胞でも神経伝達物質が放出される際、カルシウムが先に入り、続いて神経伝達物質を貯蔵している小胞が細胞膜に移動しながら神経伝達物質が放出されます。ところが、カルシウムが多すぎると視神経に蓄積され、白内障などのリスクをもたらすことがあります。そして、カルシウム過剰による尿路結石や腎臓の負担はよく知られていますね。

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