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第 12 章

3時限目 臨床研究が示すケトン食の関節炎改善効果

田中博士 著 · 🔒 50%無料公開 (続きはプレミアム会員)
0. 0時限目 炎症は90%の病気と関係している 1. 1時限目 抗酸化物質とケトン食は炎症を緩和する 2. 2時限目 関節炎の種類とケトン食の抗炎症メカニズム 3. 3時限目 臨床研究が示すケトン食の関節炎改善効果

📑 論文② 「肥満および症状性膝変形性関節症のある女性における超低カロリーケトジェニック食の有効性・安全性および忍容性: 予備的介入研究」

"Efficacy, Safety, and Tolerability of a Very Low-Calorie Ketogenic Diet in Women with Obesity and Symptomatic Knee Osteoarthritis: A Pilot Interventional Study" [69]

田中博士 次にみていく論文は "Efficacy, Safety, and Tolerability of a Very Low-Calorie Ketogenic Diet in Women with Obesity and Symptomatic Knee Osteoarthritis: A Pilot Interventional Study" です。日本語では「肥満および症状性膝変形性関節症のある女性における超低カロリーケトジェニック食の有効性・安全性および忍容性:予備的介入研究[69]」というタイトルです。この研究では、膝の変形性関節症を持つ女性16人を対象にケトン食を提供し、改善のレベルを確認しました。

田中博士 実験期間は計20週、計7つの期間に分けました。0期から1期までは通常食を行いました。そして1期から3期までの計8週間、ケトン食を提供しました。炭水化物は制限し、脂肪の比率を高めました。8週目の4期から20週目の6期まで、脂質の量は同じに保ったまま炭水化物の比率を徐々に増やしました(図12-2、図12-3)。

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図12-2 ケトン食の実験過程

0期(-4週)〜6期(20週)までの7段階タイムライン:

  • 0期(T-4)〜1期(T0): 自由食 (通常食)
  • 1期(T0)〜3期(T6/T8): ケトン食 (8週間)
  • 3期〜6期(T20): 再び炭水化物食 (脂質量維持しながら炭水化物比率を徐々に増加)

各期で尿中ケトン体測定BMI・患者自己記入式結果・副作用測定を実施。

📌 ここに7段階タイムライン図を挿入予定
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図12-3 ケトン食の期間別摂取栄養素の変化

1期〜6期それぞれにおける摂取カロリー(縦軸 0〜1600 kcal)を、タンパク質・脂質・炭水化物の3栄養素別積み上げ棒グラフで比較。1期はタンパク質と脂質のみ(炭水化物ゼロ)、2期以降は炭水化物を段階的に追加。

📌 ここに栄養素積み上げ棒グラフを挿入予定

田中博士 図12-4(a)のように、BMI(体格指数)は最初に平均40でしたが、8週間ケトン食を行った後には36.3となり3.7低下しました。20週には34.8とさらに低くなりました。図12-4(b)のように、ウェスタン・オンタリオ&マクマスター大学変形性関節症指数(WOMAC)は、ケトン食を始める前は43.6でしたが、ケトン食を行った8週目には24.7と18.9点低下しました。これは変形性関節症指数が43%減少したことを意味します。20週では24.8でした。

田中博士 図12-4(d)のように、欧州生活の質指数であるEQ-5D効用点数はケトン食前には0.72でしたが、ケトン食を行った8週後には0.83と0.11上昇しました。これは生活の質が15%ほど高まったことを意味します。

田中博士 そして図12-5のように、36項目からなる健康尺度SF-36 MCS点数は、ケトン食を始める前は53.6だったのに対し、8週間ケトン食を行った後には73.8に上昇しました。これは健康水準がケトン食を行ったあとに37.6%上がったということです。

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図12-4 ケトン食の効果 (4指標の経時変化)

T-4〜T20の7時点で測定した4つの指標:

  • (a) 平均BMI: 40 → 36.3 (8週) → 34.8 (20週) ※範囲 28〜44
  • (b) 平均WOMAC: 43.6 → 24.7 (8週) → 24.8 (20週) ※43%減少 ※範囲 0〜60
  • (c) 平均効用指数: 0.72 → 0.83 ※範囲 0.3〜1.1
  • (d) EQ-5D VAS: 範囲 20〜100
📌 ここに4指標折れ線グラフを挿入予定
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図12-5 ケトン食の効果 (SF-36 健康尺度)

T-4〜T20の7時点でのSF-36 36項目健康尺度の経時変化:

  • (a) 平均SF-36 MCS (精神的健康): 53.6 → 73.8 ※37.6%上昇 ※範囲 20〜100
  • (b) 平均SF-36 PCS (身体的健康): ※範囲 20〜100
📌 ここにSF-36折れ線グラフを挿入予定

📑 論文③ 「ケトン食は変形性関節症において炎症分子であるNLRP3インフラマソームを抑制して炎症を改善する」

"Ketogenic diet ameliorates inflammation by inhibiting the NLRP3 inflammasome in osteoarthritis" [70]

田中博士 続けてみていく研究は "Ketogenic diet ameliorates inflammation by inhibiting the NLRP3 inflammasome in osteoarthritis" です。日本語では「ケトン食は変形性関節症において炎症分子であるNLRP3インフラマソームを抑制して炎症を改善する[70]」という論文で、ラットを使った実験です。

田中博士 この研究では、変形性関節症を持つラットを2つのグループに分けたあと、一方には通常食を提供し、もう一方のグループにはケトン食を提供しました。そして炎症分子の数値を確認しました。ここでケトン食グループは、炭水化物とタンパク質を合わせたカロリーを1とし、脂質のカロリーを3として食事を提供しました。実験の結果、図12-6のように、食事を提供してから2週目になると、通常食を行ったラットはケトン値が0.5mmol以下であり、ケトン食を行ったラットは平均3mmolになりました。

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